印刷会社が解説!印刷に高解像度画像が必要な理由・作り方

高画質の美しい湖

印刷物の仕上がりを左右する、重要な要素の1つが画像の解像度です。解像度が低いと、せっかくの写真やイラストがぼやけてしまい、印刷物の品質が大きく損なわれてしまいます。お客様からも、「もっと鮮明な画像で印刷してほしい」「画像の質を上げるにはどうしたらいいの?」といったご相談を多数いただきます。

そこで今回は、プロの印刷会社の視点から、高解像度の画像を作成するためのテクニックを余すところなくお伝えします。

Contents

なぜ高解像度の画像が必要なのか

そもそも、なぜ高解像度の画像が必要なのでしょうか?

印刷物の品質を高めるためには、高解像度の画像を使用することが不可欠です。解像度が低いと、様々な問題が発生し、せっかくのデザインも台無しになってしまいます。

左側が高解像度で右側が低解像度の顔の画像

では、具体的にどのような問題が起こるのでしょうか?解像度が低い画像を使用すると、以下のような技術的な問題が発生します。

ジャギー(ギザギザ)の発生

解像度が低い画像を印刷すると、斜めの線や曲線がギザギザに表示されることがあります。このギザギザのことを「ジャギー」と呼びます。ジャギーが発生すると、画像の輪郭がぼやけたり、不自然な階段状の線が現れたりします。特に、文字やロゴなどの細かい部分で目立ちやすく、印刷物の見栄えを大きく損ねる原因となります。

引用:ジャギー❘賢者の印刷用語集

モアレパターンの発生

解像度が低い画像を印刷する際、規則的なパターンが干渉し合うことで、モアレと呼ばれる不要なパターンが発生することがあります。モアレは、画像に波状の模様が現れたり、色の濃淡が不自然に変化したりする現象です。特に、繊維製品の写真や、細かい格子模様の画像で発生しやすく、印刷物の質を大きく低下させます。

引用:印刷・DTPの基礎知識 網点とモアレ❘株式会社ウエーブ

色の再現性の低下

解像度が低い画像は、色の再現性も低下します。グラデーションがなめらかに表現できなかったり、色の境界がぼやけたりすることがあります。特に、写真画像や色の豊かなイラストなどで問題が起こりやすくなります。色の再現性が低いと、印刷物の見栄えが悪くなるだけでなく、商品の色合いを正確に伝えることができなくなります。

低いDPIのグラデーション

画像の劣化と粗さ

解像度が低い画像を印刷すると、全体的に画像が粗く表示されます。ドットの粗さが目立ち、画像がぼやけたり、詳細な部分が潰れたりすることがあります。特に、写真画像や細かいテクスチャを持つ画像で問題が起こりやすくなります。画像の劣化と粗さは、印刷物の品質を大きく低下させ、専門性や信頼性を損なう原因となります。

低い解像度の女性の顔

印刷サイズの制限

解像度が低い画像は、拡大印刷に適していません。画像を大きなサイズで印刷すると、ドットの粗さが目立ち、ジャギーやボケが強調されてしまいます。特に、大判ポスターや看板、展示パネルなどに使用する画像は、高解像度である必要があります。低解像度の画像では、印刷サイズが制限され、用途が限定されてしまいます。

引用:印刷サイズの例 – 画像解像度について|cybig.net

これらの問題を避け、高品質な印刷物を作成するためには、高解像度の画像を使用することが重要です。次章では、実際に画像の解像度を上げる方法について詳しく説明します。印刷物の品質向上に役立てていただければ幸いです。

画像の解像度を上げる方法

初めに、原画像の解像度をチェックする

高品質な印刷を実現するには、まず原画像の解像度を確認することが大切です。印刷に適した解像度は、一般的に300dpi(dots per inch)以上とされています。無料Web解像度チェックツールや、Photoshopなどの画像編集ソフトを使えば、簡単に解像度を確認できます。解像度が低い場合は、以降のステップで改善していきましょう。

解像度チェックツールのサイトの画像
サインモールスタンド看板専門店
DPIとは?

DPIとは、Dots Per Inch(ドット・パー・インチ)の略で、主に画像の解像度を表す単位です。1インチ(2.54cm)あたりのドット数を示しています。

DPIは、以下のような用途で使われます:

  1. プリンター:印刷物の解像度を表します。DPIが高いほど、より鮮明で詳細な印刷が可能です。
  2. スキャナー:スキャンする際の解像度を表します。DPIが高いほど、より高画質なデジタル画像が得られます。
  3. ディスプレイ:画面上の画素密度を表します。ただし、ディスプレイではPPI(Pixels Per Inch)という用語が一般的に使用されます。
  4. マウス:マウスの感度を表します。DPIが高いほど、マウスを動かした際のポインター移動量が大きくなります。

DPIは、画像のクオリティや印刷物の品質を決定する重要な要素の一つです。用途に応じて適切なDPI設定を選択することが大切です。

画像の解像度が低いと、どのような問題が起きますか?

画像の解像度が低いと、印刷した際に画像がぼやけたり、ジャギーが目立ったりします。これにより、印刷物の品質が大きく損なわれてしまいます。

Photoshopで解像度を確認する方法
  1. Photoshopを開き、画像を読み込みます。
  2. メニューバーから「画像」→「画像解像度」を選択します。
  3. 「解像度」の欄で、現在の解像度を確認します。
引用:画像解像度を確認する3つの方法|Print House

オンラインツールで画像の解像度を上げる

引用:無料で粗い画像を機械学習したAIがきれいに補完して拡大してくれる「Let’s Enhance」を使ってみた❘Gigazine

高解像度の画像を準備する際、オンラインの画像処理ツールを使うのも一つの方法です。これらのツールを使えば、手軽に画像の解像度を上げることができます。

AIを活用した画像拡大ツール

Let’s Enhance、Bigjpg、Waifu2xなどのオンラインツールでは、AIを活用して低解像度の画像を高解像度化することができます。これらのツールは、機械学習アルゴリズムを使って画像を分析し、ディテールを復元しながら解像度を上げます。

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オンライン画像編集ツール

Photopea、Pixlr、Fotor などのオンライン画像編集ツールでも、画像の解像度を上げる機能が用意されています。これらのツールでは、リサイズやシャープネス調整、ノイズ除去など、様々な画像編集操作を行うことができます。

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オンライン画像コンバーター

Online-Convert、Convertio、Zamzar などのオンライン画像コンバーターでは、画像のファイル形式を変換する際に、解像度を指定することができます。低解像度の画像を高解像度の形式に変換することで、印刷に適した画像を得ることができます。

オンラインツールで画像の解像度を上げる際は、以下の点に注意しましょう。

  • 元の画像の品質が低い場合、解像度を上げても画質の改善には限界がある
  • ファイル形式や圧縮設定に注意し、画質の劣化を防ぐ
  • 必要に応じて、複数のツールを組み合わせて使用する
  • 処理後の画像を確認し、意図した品質が得られているか確認する

オンラインツールを使えば、手軽に画像の解像度を上げることができます。ただし、元の画像の品質によっては、期待通りの結果が得られない場合もあります。

高品質な印刷物を作成するためには、できるだけ高解像度の原画像を使用することが重要です。オンラインツールは、原画像の品質を補う補助的な手段として活用するのが効果的でしょう。

再サンプリングで解像度アップ

低解像度の画像を高解像度にするには、再サンプリングという技術が効果的です。Photoshopなどの画像編集ソフトには、様々な再サンプリングアルゴリズムが用意されています。画像の特性に合わせて適切なアルゴリズムを選択することで、画質の劣化を最小限に抑えつつ、解像度を上げることができます。

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